なにかの技術メモ置き場

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@インフラエンジニア

ETERNUS DX60 S2 導入記録

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目次

概要

念願のFCストレージをお迎えした。初期化や最小構成での設定を記録した。

環境

概要図

ノード構成

ホスト名 管理NWのIP OS H/W 備考
DX60 172.16.0.101 TBD FUJITSU ETERNUS DX60 S2 -
kvm01 任意 CentOS7 HP ProLiant DL360 G7 HBA: QLE2460-HP

物品構成

製品名 型番 用途 備考
FUJITSU ETERNUS DX60 S2 ET062DCF ストレージ -
? QLE2460-HP HBA -

購入

  1. 某オークションサイトにて購入。
    • 本体
    • レールキット

設置

  1. ラックにレールを取り付ける。 f:id:none06:20210801090102j:plain f:id:none06:20210801090136j:plain f:id:none06:20210801090146j:plain

  2. レールに筐体を搭載する。 f:id:none06:20210801090212j:plain f:id:none06:20210801090222j:plain

  3. 電源ケーブル、LANケーブルを接続する。 f:id:none06:20210801090334j:plain

    • LANケーブルはMNTポートに接続する。
  4. システムディスクを搭載する。 f:id:none06:20210801090858j:plain

    • 写真ではDisk#0~#17にマウンタが付いているが、実際にはDisk#0,#1にしか搭載していない。
    • Disk#0,#1に搭載したディスクがシステムディスク、Disk#2以降に搭載したディスクがデータディスクになるらしい。そういう仕様。

初期化

  1. MNTポートのIPアドレスを初期化する。中古で購入したためIPアドレスが不明である前提とする。 f:id:none06:20210801095626j:plain

    • [IP RST]ボタンを2秒以内に2回連続して押下する。
    • デフォルト値[192.168.1.1]に初期化される。
  2. 保守担当員(CE)権限アカウントでETERNUS Web GUIにログインする。 f:id:none06:20210801091456p:plain

  3. システムディスクの初期化を行う。

ストレージ側の設定

  1. RAIDグループを作成する。 f:id:none06:20210801093339p:plain f:id:none06:20210801093342p:plain f:id:none06:20210801093346p:plain

  2. ボリュームを作成する。 f:id:none06:20210801093430p:plain f:id:none06:20210801093434p:plain f:id:none06:20210801093437p:plain

  3. FCホスト設定を行う。 f:id:none06:20210801093631p:plain f:id:none06:20210801093634p:plain

    • WWNを自動入力したい場合は先に「サーバ側の設定(HBA)」「接続」を完了させること。
  4. LUNマッピング設定を行う。

    1. アフィニティグループを作成する。 f:id:none06:20210801093814p:plain f:id:none06:20210801093818p:plain f:id:none06:20210801093821p:plain
    2. ポートにアフィニティグループを紐づける。 f:id:none06:20210801093924p:plain f:id:none06:20210801093927p:plain f:id:none06:20210801093930p:plain f:id:none06:20210801093934p:plain

サーバ側の設定(HBA)

  1. サーバにHBAを搭載する。 f:id:none06:20210801100611j:plain f:id:none06:20210801100623j:plain

  2. HBAの設定を行う。 f:id:none06:20210801101347p:plain

    • SANブートしないならデフォルトで良さそう。

接続

  1. サーバとストレージをFCケーブルで接続する。 f:id:none06:20210801101039j:plain

    • サーバ側。4GbpsでLinkUpしている。 f:id:none06:20210801101102j:plain
    • ストレージ側。LinkUpしている。 f:id:none06:20210801101127j:plain
  2. HBAからボリュームが認識できていることを確認する。 f:id:none06:20210801101503p:plain f:id:none06:20210801101507p:plain

サーバ側の設定(OS)

1.カーネルモジュールをインストールする。

# modprobe qla2xxx
  • CentOS7ではデフォルトでインストール済みだった。

2.OSから確認する。 カーネルモジュールがインストールされていること。

[root@localhost ~]# lsmod | grep qla
qla2xxx               807125  0 
nvme_fc                33721  1 qla2xxx
scsi_transport_fc      64007  1 qla2xxx

ポートの状態や速度を表示できること。

[root@localhost ~]# cat /sys/class/fc_host/host1/port_state
Online
[root@localhost ~]# cat /sys/class/fc_host/host1/port_speed 
4 Gbit

ディスクを認識していること。/dev/sdaがローカル、/dev/sdbがFC経由。

[root@localhost ~]# fdisk -l

Disk /dev/sda: 600.1 GB, 600093712384 bytes, 1172058032 sectors
Units = sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト
Disk label type: dos
ディスク識別子: 0x000951e3

デバイス ブート      始点        終点     ブロック   Id  システム
/dev/sda1   *        2048     2099199     1048576   83  Linux
/dev/sda2         2099200    55709695    26805248   82  Linux swap / Solaris
/dev/sda3        55709696  1172056063   558173184   83  Linux

Disk /dev/sdb: 10.5 GB, 10485760000 bytes, 20480000 sectors
Units = sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト

せっかくなのでベンチマーク

[root@localhost ~]# hpddparm -t de/dev/sd?

/dev/sda:
 Timing buffered disk reads: 518 MB in  3.00 seconds = 172.42 MB/sec

/dev/sdb:
 Timing buffered disk reads: 596 MB in  3.01 seconds = 198.30 MB/sec
  • FCの理論値(500MB/sec=4Gbps)に届いていない。RAIDグループをRAID1で作成したためSASディスクの読み取り速度がボトルネックになっている。

トラブル1

システムディスクの初期化が失敗した。ディスクのステータスを見ると「Not Supported」となっている。 f:id:none06:20210801091622p:plain

調べたところ、フォーマットが異なることが原因だと判明した。 qiita.com https://www.sgv417.jp/~makopi/blog/archives/3701

サーバやPC用のディスクはセクタサイズが512byteだが、一部のストレージ用のディスクは520byteらしい。

そのへんに転がっているLinuxサーバにディスクを接続し、520byteでフォーマットする。600GBで1時間以上かかった。

[root@localhost ~]# fdisk -l /dev/sdc

ディスク /dev/sdc: 558.9 GiB, 600127266816 バイト, 1172123568 セクタ
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト
ディスクラベルのタイプ: dos
ディスク識別子: 0x00085e39

デバイス   起動 開始位置   終了位置     セクタ サイズ Id タイプ
/dev/sdc1           2048       4095       2048     1M 83 Linux
/dev/sdc2  *        4096 1172123534 1172119439 558.9G 83 Linux
[root@localhost ~]# sg_format --format --size=520 /dev/sdc
    SEAGATE   ST600MM0006       6103   peripheral_type: disk [0x0]
      << supports protection information>>
      Unit serial number: S0M6YHM20000K6276TJS
      LU name: 5000c50095ff8b03
Mode Sense (block descriptor) data, prior to changes:
  Number of blocks=1172123568 [0x45dd2fb0]
  Block size=512 [0x200]

A FORMAT UNIT will commence in 15 seconds
    ALL data on /dev/sdc will be DESTROYED
        Press control-C to abort

A FORMAT UNIT will commence in 10 seconds
    ALL data on /dev/sdc will be DESTROYED
        Press control-C to abort

A FORMAT UNIT will commence in 5 seconds
    ALL data on /dev/sdc will be DESTROYED
        Press control-C to abort

Format unit has started
Format in progress, 1.01% done
Format in progress, 2.03% done
・・・
FORMAT Complete

再度ストレージにディスクを搭載し、システムディスクの初期化を行う。

トラブル2

CentOS8でボリュームを認識できない。HBAは認識している(lspci)。カーネルドライバ(qla2xxx)はインストールされている(lsmod)。原因切り分けのためにCentOS7で試したところあっさり認識した。 H/W被疑ではないことが切り分けできたため、CentOS8対応は追って調査していく。

あとがき

  • CentOS8で実装したい。カーネル再構築とかめんどうなので、CentOS8に標準対応したHBAを導入する方針。 →した。 none06.hatenadiary.org
  • SANブートはできたので別記事にて。
  • CLI手順も整備したい。 →した。 none06.hatenadiary.org
  • FC-SWを導入してFC-SAN構成にしたい。

参考サイト