目次
概要
case1とcase2の比較
総括すると、case1はメンテナンス性に優れ、case2は構成・設定のシンプルさに優れる。
比較項目 | case1 | case2 | 備考 |
---|---|---|---|
DHCPサーバ | 必要 | 必要 | case1のほうがやや設定が多い |
HTTPサーバ | 必要 | 不要 | - |
iPXEスクリプト | 必要 | 不要 | - |
メンテナンス性 | 良い | 悪い | ※1 |
case1の詳細は以下を参照。
none06.hatenadiary.org
経緯
環境
概念図
シーケンス図
構成
ホスト名 | 管理NWのIP | ストレージNWのIP | OS | H/W | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
file01 | 172.16.0.5 | 172.16.1.5 | RAIDiator 4.2.31 | NETGEAR ReadyNAS Pro 2 | iSCSIターゲット |
kvm01 | (割愛) | (割愛) | CentOS 8.1.1911 | HP Z600 | KVMホスト |
pxe01 | 172.16.0.21 | (割愛) | CentOS 8.1.1911 | - | PXEサーバ(DHCP/ |
guest02 | 172.16.0.253 | 172.16.1.253 | CentOS 8.2.2004 | - | KVMゲスト |
NWアドレス | NW名 | 用途 |
---|---|---|
172.16.0.0/24 | 管理NW | ssh接続、Web管理画面接続、PXEブート |
172.16.1.0/24 | ストレージNW | ストレージ接続(iSCSI/NFS/CIFS) |
手順
2.ゲストマシンの構築
2-1.ゲストマシンを作成する。
※ディスクなしとしているのがポイント(--disk none)。
※当環境ではPXEサーバからOSをインストールするが、手順は問わない。
[root@kvm01 ~]# virt-install \ > --hvm \ > --name guest02 \ > --ram 2048 \ > --vcpus 2 \ > --disk none \ > --os-type linux \ > --network bridge=br0,link.state=up \ > --network bridge=br1,link.state=up \ > --network bridge=br2,link.state=down \ > --graphics vnc,listen=0.0.0.0 \ > --console pty,target_type=serial \ > --pxe WARNING OS name 'linux' is deprecated, using 'generic' instead. This alias will be removed in the future. WARNING グラフィカルコンソールに接続できません: virt-viewer がインストールされていません。'virt-viewer' パッケージをインストールしてください。 WARNING ゲストのコンソールがないため、デフォルト値 --wait -1 を適用します。 インストールの開始中... Domain installation still in progress. Waiting for installation to complete.
2-2.CentOS8のインストーラを起動する。
※当環境ではPXEサーバからOSをインストールするが、手順は問わない。
※以降、今回の設定で最低限必要な項目のみ記載する。それ以外の項目は任意に設定すること。
2-3.IPを固定する。
2-4.インストール先のディスクを選択する。デフォルトでは認識されないため、iSCSIターゲットにログインする必要がある。なお、ここでのログイン設定はOSインストール後も保持される。
2-5.OSインストールを完了させる。
2-6.ゲストマシンのMACアドレスを調べておく。
[root@kvm01 ~]# virsh dumpxml guest02 | grep "mac address" <mac address='52:54:00:71:aa:76'/> <mac address='52:54:00:91:be:66'/> <mac address='52:54:00:66:9a:e2'/>
3.DHCPサーバの設定
3-1.dhcpd.confに以下を追記する。
・MACアドレスとiSCSIブートディスクの関連付け
[root@pxe01 ~]# cat /etc/dhcp/dhcpd.conf ・・・ host guest02 { hardware ethernet 52:54:00:71:aa:76; option root-path "iscsi:172.16.0.5:::0:iqn.2020-09.file01:guest02"; } ・・・
3-2.dhcpdサービスを再起動し設定を反映する。
[root@pxe01 ~]# systemctl restart dhcpd.service
4.ゲストマシンの起動(再起動)
4-1.ゲストマシンを再起動する。
※先ほどのOSインストールの最後に再起動しており、その後ディスクがなくOS起動に失敗しているため、強制再起動する。
[root@kvm01 ~]# virsh reset guest02 ドメイン guest02 がリセットされました
※BIOS→ネットワークブート→iPXEブートと遷移している。
※「Root path」でiSCSIデバイスを指定していることがわかる。
※iSCSIブートが成功し、ディスクの中のOSが見えている。
4-2.ゲストマシンの状態を確認する。
[root@localhost ~]# iscsiadm -m session tcp: [1] 172.16.1.5:3260,1 iqn.2020-09.file01:guest02 (non-flash)
OS起動時にiSCSIターゲットに自動ログインしている。これは、OSインストール時にiSCSIターゲットにログインした際の設定が保持されているため。
[root@localhost ~]# parted -l モデル: LIO-ORG FILEIO (scsi) ディスク /dev/sda: 21.5GB セクタサイズ (論理/物理): 512B/512B パーティションテーブル: msdos ディスクフラグ: 番号 開始 終了 サイズ タイプ ファイルシステム フラグ 1 1049kB 1075MB 1074MB primary ext4 boot 2 1075MB 21.5GB 20.4GB primary lvm
iSCSIターゲットで作成した20GBのディスクが認識されていることがわかる。